言葉・もて・遊ぶ blog

言葉は奔放・・・うまく遊べているかしら (旧:Kororonの徒然日記)

火星シリーズ / (第一巻  火星のプリンセス )    エドガー・ライス・バローズ 著

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)

 

 

最近のSF小説は、とんと読んでいないので、語りたいSF小説というと、実に古く、古く、厚くかぶっている埃を、パタパタと振り払って、それでは語ってみようか、という具合、昔々のSFっていう感じ‥‥

昔、昔、「ターザン」という、”密林の王者“ といって、人間世界から切り離されて、森の奥深く、類人猿に育てられて、動物たちと暮らしている、人間の物語を書いた作家に、E・R・バローズ(エドガー・ライス・バローズ)という人がいた、この人が書いたSFに「火星シリーズ」「金星シリーズ」なんていうシリーズがあったりした。

 

今回はその中の「火星シリーズ」のことを語りたい、このE・R・バローズ著の「火星シリーズ」には、火星人が登場する。火星人といったって、火星の実際の映像を見て、火星が実際どのようなところかわかってしまっている現代、火星人がいて、火星人と地球人の冒険物語だよ、と言ったって、どうもやっぱり、埃まみれ感がいなめないか…、が、そんなことはないよ、と筆者は思う。

 

火星の古代帝国―合本版・火星シリーズ〈第4集〉 (創元SF文庫)

 

なので、現在もしも、この、「火星シリーズ」を読んでみようと思ったならば、舞台が火星である、ということはすっぱり忘れて、どこか太陽系から何億光年も離れた、遠い、遠い、惑星での冒険物語、と考えて読んでみると、また、イマジネーションの世界が広がるかもしれない、とはいえ、別段、火星の物語として読んでも、全く遜色ないよ、と筆者は思う。

 

さて、それでは、「火星シリーズ」の、一体どこにはまっていたのか、語ってみよう。火星シリーズは全11巻あり、筆者はこのシリーズを創元の文庫本で読んだ、文庫本には普通カバーがついていて、まず、この文庫本を手に取ると、物語を読む前に、カバーのイラストに惹きつけられる、第一巻は「火星のプリンセス」というタイトルで、名を、デジャー・ソリスといい、物語中では絶世の美女、ということになっている、その火星人の絶世の美女と火星にテレポートした地球人ジョン・カーターが恋に落ちる、という流れになる。

 

 

火星の幻兵団―合本版・火星シリーズ〈第2集〉 (創元SF文庫)

 

絶世の美女というだけあって、第一巻の「火星のプリンセス」のカバーのデジャー・ソリスは、この文章の最初にもあるように、うつむき加減で、はかなげで、かすかな愁いを帯びた表情をして、流れる黒髪に王冠をかぶり、火星人の衣装を身にまとい、ステキな女性に描かれている、シリーズの中でもお気に入りのイラストカバーである。「火星シリーズ」には、デジャー・ソリスをはじめ、そのつど、各巻、美しいヒロインと、ナイトが登場してくる、各巻のカバーのイラストも、それぞれステキで見るのも楽しい、まず一つ目の推し。

 

次に、登場人物たちがいい、「火星シリーズ」には、赤色人、緑色人、黒色人、黄色人、白色人…と、様々な肌の色の種族が登場する、先ほどから触れている、デジャー・ソリスは赤色人であり、地球人ジョン・カーターの親友となる、タルスタルカスは緑色人である、こういったところ、E・R・バローズという人は、もしかしたら、人種的偏見の全くなかった人だったのではないか、と想像することができる、登場人物達の魅力‥‥二つ目の推し。

 

 

火星の秘密兵器―合本版・火星シリーズ〈第3集〉 (創元SF文庫)

 

 

もちろん、ストーリーも面白かった、冒険物語なので、ワクワク、ハラハラ、しながら一気に読んだ、E・R・バローズが創り出した ”火星の世界“ は魅力的であった、もう何年も読んでいないが、今読んだらどうだろうか?

きっと、今でも、魅せられて、一気に11巻、読み通してしまうかしら、きっとね。なかには、確か、美女の頭脳が老婆の頭脳と交換されてしまって、本来美しい女性でありながら、老婆の肉体に甘んじる、なんていう展開の物語もあった、ストーリーの面白さ、三つ目の推し。

 

ということで、ストーリーの面白さに、プラスアルファ、様々なことが魅力的だった、やっぱり、バローズが創った、”火星の世界“ かな、火星探索が進んだ今でも、火星がバローズの創ったような世界だったら、夜空を見上げるときだって、もっと、ワクワクできただろうに、と思わずにはいられない!