詩 ポエム 赤の物語 ~赤い靴を履いていた女の子~
赤い靴を履いていた
おじさんに連れられてこの街へやってきた
赤く燃えるような髪をして
赤いスカートに白いエプロンをしているとき
可愛かった
空が楓で赤く染まる季節にも
空が夕焼けで赤く染まった時にも
女の子の赤い髪は
負けずに赤く輝いていた
誰よりも赤く
ハロウィンのパーティーで
水に浮かんだリンゴ
一生懸命にとろうとして
みんな水浸しなのに
一人笑ってリンゴをかじる、赤の女の子
冬の寒い日
暖炉に燃える真っ赤な炎
炎にあぶられて
僕も女の子のほほも
真っ赤にほてる
雪が溶けて
生命の息吹が戻る頃
女の子はいなくなってしまった
ある日突然 大きな船に乗って
おじさんと一緒に
女の子の赤い靴だけが
暖炉のそばに残されて