詩 ポエム 桃園の風景
あたり一面 桃色に染め上げられ
桃の花であふれる園
お内裏様とお雛様
二人静かに
散策される 桃の絨毯を踏みしめて
ひらり 舞い落ちる花びらが
かざした手の中に舞い降りて
見上げれば 桃の花が目に染みる
お内裏様とお雛様
静かにお話しされながら
桃で埋まった小道を曲がる
桃の花の歌に送られ
人気のなくなる桃の園
日が暮れて
空には月が
今宵は明るい半月が
遠くに響く談笑の声
お侍か 三人の衆
盃を手にして何やら相談
きらりと光る大きな太刀は
空の月にもよく似た 偃月
青龍の装飾施され
勇者の頭上で月夜に光る
兄弟の契りを交わした三人の衆
杯を重ねて 夜空を見れば
運命の星は輝いて
桃の花もそよ風に歌う
詩 ポエム Forget-me- not 忘れな草の告白
忘れな草が涙を流し
神様が彼女をなぐさめる
神様の優しい言葉
でも、泣きじゃくるばかりの
神様 私はひどいことをしてしまいました
どうしたんですか
私のせいで一人の青年が川に流されてしまいました
あなたのせいで
ええ、私のせいで
忘れな草の 青く輝く涙
少女が流した涙と
同じだけの涙を流したい
私にできるのはそれだけです
美しく可憐な忘れな草
岸辺で一人
無心に走る
川の流れに見入っていました
青年は
あなたの中に
少女と同じ美しさをみたのです
ですからあなたを手に入れようと
神様の優しい言葉は続く
忘れな草の涙は止まらない
流した涙は
川の流れと一緒になって
少女の悲しみと一緒になって
どこまでも流れてゆく
二人の涙がかわくまで
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詩 ポエム 妖精のささやき
淡く桃色のシルクのドレス
お姫様はふと思う
鳥のように空を飛んでみようかしら
いち、に、のさん
両手いっぱいにシルクを広げて
空の息吹を受け止める
あちらこちらと揺れながら
ふわりと着地 雲の上
甘い香りに包まれる
あまりの甘さ 一口いただき
甘い綿あめ 昔の記憶がよみがえる
のぞいてみると
遥か彼方に 青くて緑の大きな湖
キラリ と光る
大きな跳躍
ヒラリ と舞う
体いっぱいに感じる息吹
着地成功
青くて緑のすきとおった湖水の上に
空を見上げる 青い空にすいこまれそう
あんな高いところから来たのね
椿姫は目を閉じる
冬の妖精が
耳元でささやいてくれるまで
目を覚まして
花開くときですよ、と
詩 ポエム 言葉遊び : 頼んだよ ”君” たちに
ボールのように大きな君
日差しを浴びる
僕のこちら側
太陽と向き合って
ますます大きくなる
固ゆで石頭の君
ぐつぐつ ぐつぐつ
爆発寸前だ
怒っているんだ
熱くて熱くて火を噴きそうだよ
誰かが君をひっかきまわしたに違いない
慌てふためき
わけもわからず目が回る
落ち着いてみるならば
あちらこちらに美味の山
君はステキ、と注目の的
ちょっと熱めのお風呂が好きなの
肌がもちもち
すべすべの白い肌
美人になれるの
君たちが言う
ハンプティダンプティのおじさん
塀の上なんかに座ってちゃ
危ないよ
落っこちてしまうよ
割れてしまうよ
そうさな、どうも、危ないな
君たちに助けてもらおうか
落っこちそうになったなら
君たちにうけとめてもらうから
その時は
頼んだよ 君たちに
※
サニーサイドアップ ボイルドエッグ スクランブルドエッグ ポーチドエッグ
君 → 黄身 卵 ハンプティダンプティ → 卵
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詩 ポエム 太陽の憂鬱
元気のない太陽
心配する友が言う
どうしたの?
僕は北風君に勝った
あの男の人のコートを脱がしたろう
冬の奴にも負けなかった
僕が顔を出したら春のお嬢さんたちは喜んでいたさ
その通りだ
君は百人力だ
かなう奴はいないよ
でも、ダメなんだ
何がダメなんだ
あの栗色の髪をした、大きな目の女の子
僕を避けているんだ
気のせいだよ
気のせいなんかじゃないんだ
僕が一生懸命微笑みかけると
すぐに家の中に逃げ込んでしまう
僕がウインクすると
真っ黒なサングラスで目を隠してしまう
手を差し伸べようとすると
クリームを塗って、肌をプロテクトする
君、人間の少女に恋をしたね
彼らは、強すぎる日差しが嫌いなんだよ
日に焼けるとか言ってさ
アポロン君、親友の君だから相談できるんだ
わかった、まかしてくれ
本当に?
幸い僕は、キューピッドという可愛い奴を知っている
彼に頼んでみるよ
アポロンは去り
太陽は、気を取り直し
朝、になるための準備をする
詩 ポエム 夜のマント
しんと静まり返った穴倉の中
どんぐりに囲まれて
ねがえりをうつ小熊
シャケをくわえて跳ねまわろう
雪が溶けて 春が来たなら
一本足で
グラグラしないの
バランス感覚最高
そんなに鮮やかにピンクの羽で着飾って
フラミンゴは美しく眠る
じっと動かず目も閉じず
でも、何も見つめていない
大きな口と大きな歯をした ワニ
獲物をしとめる、目が覚めたなら
時が止まり
茨に守られて
静寂のカーテンで閉ざされたお城の中で
運命の王子様を待つ
お姫様 スリーピング・ビューティー
空には月がほほ笑み
星がウインクする
冬の夜も 春の夜も
一緒にステップを踏む
夜のマントは軽やかにひるがえる
静かに眠る皆さんへ
私を怖がらないで
闇の魔法使いからプレゼント
やがて訪れる素敵な目覚め
幸せな夢