詩 ポエム 二人でお茶を
春爛漫
日差をいっぱいに浴びて
思い切り花びらを伸ばす
桜の花
伸ばしすぎて
日差しもさえぎる
花曇り
川べりにたたずみ
移る姿にナルキッソス
柳が揺れて
緑の姿を水に映す
美しいピンクのお嬢さん
一緒にお茶を
向こう岸に見える素敵なカフェ
優しく揺れる柳
眩しく、さらに眩しく開く桜
桜からの返事のお手紙
手紙にいっぱいに ✖ の嵐
しだれる柳
肩を落とす後ろ姿に桜の声
川のほとりでかざしてみるのよ
言われるままに
見つめる水面
しょぼくれ柳が飛び上がる
驚いて、足を滑らせ、川に落ちそう
川いっぱいに ピンクのKISS
カフェのテラスを眺めてみれば
- ✖ 手紙の末尾などで使われるキスマーク
詩 ポエム N.Y.の夜
ピンクのリボンをつけた白い猫
掟を破って しゃべりだす
歌を歌って見せますよ
透き通るような甘い声
歌手の名前はキティといった
私はマジックを披露します
姿を隠して見せましょう
みるみる消えるその姿
ニヤニヤ笑いの口元だけが
後に残るは 不思議のチェシャ猫
そろそろ目覚めの時間です
長い年月お眠りでした
東洋の衣装を身に着けて
優雅な舞踊を舞いますか
マネージメントは任せてくれ
宣伝は十分にした
マネーは招け
後はみんなの腕にかかる
さあ、客席は満員だ
公爵夫人がお見えになった
すらりと白い毛皮を羽織って
おしゃれキャットは本日のヒロイン
みんなとハグのあいさつかわし
開演のベルを待つ
ブロードウェイは眠らない
ネオンが眩しい不夜城で
キャッツ達が歌いだす
割れんばかりの拍手の中
いざ、最高のパフォーマンスを
※キティちゃん 不思議の国のアリス 眠りネコ 招き猫 ダッチェス
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詩 ポエム トマト 遊び
トマト、ト・マ・ト
Tomato to-ma-to
ト と トの間にママを見つけた
真っ赤なドレスに
緑のエプロン
これから何を作りましょうか
スパッゲティが食べたいです
トマトの香りも豊かなフレッシュ
トマトがゴロゴロ トマトソース
めんは堅めのアルデンテ
塩入れるのも忘れずに
Tomato to-ma-to
トマト、ト・メイ・トウ
ト と トの間に五月を見つけた
メイという名の五月の少女
どうして真っ赤な顔をしてるの
シャイで内気で人見知り
さあ、パスタが茹で上がり
さあ、トマトソースもできました
こちらへどうぞ、お嬢さん
恥ずかしがらずに、さあいらっしゃい
食卓には赤と緑のチェックのクロス
僕とママとメイさんと
ゲストがもう一人やってくる
卵の形のナスおじさん
名前は ミスター・エッグ・プラント
では、お食事を始めましょう
いただきます、とみんなの声
楽しく団らん
どこからか歌声も
ト、ト、ト、ト、ト
マ、マ、マ、マ、メイ
ト、ト、ト、ト、トウ
トメイトウ！
詩 ポエム 夜空のジェントルマン
夜の空を見上げれば
顎をとんがり突き出した
金色の紳士が
にやりと笑う
パイプの煙をモクモクと
吹き出しながら語ることには
僕にはフランスに友人がいてね
そいつは僕みたいに輝くことはないんだけれど
こんがり焼けたその美味しさで
多くの人を幸せにしている
輝きゃしないが
なかなかやるんだ
僕にはアメリカにも友人がいるんだ
紙でできたそいつはね
しかめ面した女の子を
膝にのっけて映画にでたんだ
紙でできちゃいるけれど
なかなかたいした奴なんだ
僕自身はどうかって
僕は変身が得意なんだ
今はこんなやせっぽちに見えるけど
いまに丸いボールになるさ
ボールになったその時には
ちょっと魔法を使ってみせるよ
僕の魔法にかかるとね
獣の血潮が騒ぎ出し
狼に変身する奴がいる
バンパイヤとかいったかな
ちょっと危険な魔法かな
使い方には気をつけなくっちゃ
東の空が明るくなった
そろそろ僕も家路につこう
星のみんなは足が速いな
おーい、僕をおいていくなよ
金色の紳士も急ぎ足であとを追う
詩 ポエム マメ談義
雲一つない青い空
空を見上げる緑のさや
僕は空を見上げてた
大人になれば悩みも尽きない
ついつい、下を向いてしまう
なにをくよくよしているんだい
異国の兄弟は励ます horsebean
みてごらん あそこに可愛い女の子
パステルに揺れる
華奢な体を
君の知り合いか
声でもかけてみようか
初めまして
優しい挨拶
パステルの少女は甘い香り
お名前は？
アマイマメ と申します
アマイマメ？
あなたのお国の言葉では
スイートピー と言いましょうか
甘いあなたもマメですか
もしかして、遠い親戚かな
さあ、わかりません
でも私達
姿かたちがきっとマメに似ているのでしょう
あなたは可憐だ
僕たちは美味しいんです
おしゃべりは尽きず
笑い声が響く
マメたちの
※ソラマメ → 名前の由来 ”空を向いた豆”
詩 ポエム ピンク色の祝福
皆さん集合してください
ピンクのスカート翻し
走ってくる少女たち
みんな顔を上気させ
期待で瞳を輝かせ
さあ、センターを決めるのです
センターはもちろん投票で
透き通る肌の銀色の少女
選ばれた誇りと喜び
さらに顔を上気させ
頑張りますと、力強く
香りのステキなあなたたち
センターの周りにいてください
うまくセンターをサポートして
ひときわ輝いてくださいね
まだつぼみのあなたたち
風に揺れるベルのように
音はせずともその可憐さで
お姉さまたちを支えてください
純白のドレスを着た花嫁が
手にしているのは
ピンクに流れる百合のブーケ
花嫁の手の中で
少女たちも緊張し
晴れの日に花嫁と一緒
どうぞ無事にこの大役を
果たせますように
花嫁は微笑み
少女たちも微笑む
祝福の声を聴きながら
詩 ポエム 或る春の日
春うららか
澄んだ川のそばの土手
一面タンポポで埋まる
黄色いベッド
柔らかな日差しを浴びて
ごろり寝転ぶ影二つ
気持ちがいいね
春の日差しは優しい
うとうとしてしまう
寝てはダメだよ
君は海へ帰らなくては
大丈夫さ
川を下ればすぐに河口
母さんも、父さんもそこで待っている
君こそ山へ帰らなくていいのか
山はすぐそこさ
ひとっ飛びだよ
去年は柿もたくさん実った
もうたくさん、というほどに
僕も、母さん父さんへ
沢山プレゼントができた、君のおかげか
何で喧嘩する必要があるのか
そうだよな
あくびをしながら答える友
昔の話だ
遠いご先祖様のね
おむすびもう一つ食べるかい
いただくよ、ごちそうさま
サルとカニはお腹もいっぱい
ふたたび、うとうと
春の日差しを浴びながら
ピクニックは楽しかろう
時代は変わったのさ
と、風のつぶやき
