詩 ポエム 梅雨の季節に
ザ 間違えないでおくれ
僕は怒っているんじゃないんだ
僕は喜んでいる
こんなに思い切り
音たてることができるなんて
一年の中で滅多にないことさ
だから、音たてさせてもらうよ
嬉しくて仕方がないんだ
ザー、ザー、ザー
シ 間違えないでちょうだい
悲しんでいるんじゃないのよ
私は喜んでいるの
こんなにしとやかに
降り注ぐことができて
時には、太陽さえ
喜んでくれる
シト、シト、シト
ポ 間違えないでよ
僕はためらっているんじゃない
ゆっくりと
楽しみながら
落ちていこうと思ってね
土砂降りにしようか
それとも、ほどほどにしとこうか
考えるのは楽しいからね
ポツリ、ポツリ、ポツリ
雲の中で雨たちが
どんなショーを見せようかと
めいめい 準備に余念がない
やっぱり、
シトシト、ポツリ、ポツリ、ザーザー
この順番かな
と話はまとまり
シトシト 降る雨だれは
思い切り雲からジャンプする
行ってきます、と手を振りながら
梅雨の季節は
まだまだ続き
雨たちの声は
雷になってこだまする